ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると第3四半期の国内総生産(GDP)伸び率は今年初めから8月末まで継続した政策誘導金利(Selic)の利上げ、ヨーロッパの債務危機やクレジット部門のマクロ・プルーデンス政策採用効果などの影響で、前四半期比ではゼロと停滞、GDP総額は1兆500億レアルであった。
鉱工業部門は製造セクターがマイナス1.4%と大幅に落ち込んだ影響でマイナス0.9%、サービス部門もマイナス0.3%とそれぞれ落ち込んだが、輸出が好調だった農畜産部門は3.2%増加、一般消費マイナス0.1%、公共支出マイナス0.7%、固定資産形成投資(FBCF)マイナス0.2%、輸入マイナス0.4%、輸出は農産物のコモディティ製品が好調で1.8%増加した。
また第3四半期のGDP伸び率は前年同期比では2.1%増加、農畜産が6.9%増加して牽引、鉱工業部門1.0%、サービス部門は2.0%それぞれ増加している。
鉱工業部門のマイナス0.9%は製造セクターの落ち込みが牽引したが、鉱業セクターが0.9%、電力、ガスや都市関連衛生セクター0.8%、建設セクターが0.2%それぞれ増加、サービス部門は商業がマイナス1.0%、情報サービスがマイナス0.3%となったが、金融仲介や保険セクターは1.7%と増加している。
第3四半期の一般消費は前年同期比2.8%増加、インフレ分を差引いた実質サラリーは2.6%増加、クレジットは18.3%増加、過去12カ月間のGDP伸び率は3.7%、今年9カ月間では3.2%増加している。
また第3四半期のFBCF伸び率は前年同期比では建設セクターや国産の設備投資向け機械・装置セクターが牽引して2.5%増加、輸出は4.1%、輸入はレアル高の為替で5.8%増加、特に自動車、電機製品、電気材料、繊維・衣料、プラスティックや化学製品の輸入が伸びている。
第3四半期の投資はGDP比20%と前年同期の20.5%、貯蓄率は18.8%と19.6%からそれぞれ僅かに減少、ギド・マンテガ財務相は第3四半期のGDP伸び率の停滞はそれほど悲観的になる必要はなく、連邦政府は来年のブラジルのGDP伸び率は4.0%から5.0%伸びるための内需拡大のメカニズムを擁しているとコメントしている。
連邦政府はヨーロッパの債務危機、米国の景気不透明感などの要因で、今年のGDP伸び率を4.5%から3.8%と大幅に下方修正しているにも関わらず、大半のエコノミストはGDP伸び率を3.0%前後と予想している。
第3四半期の前四半期比のブラジルのGDP伸び率はゼロに留まったが、日本は1.5%とトップの伸び率を記録、ノルウエー1.4%、メキシコ1.3%、韓国0.7%、チリ0.6%、ドイツ、米国並びに英国は0.5%フランス0.4%ベルギー並びにスペインはブラジルと同率、オランダはマイナス0.3%であった。
また一人当たりのGDP比較ではブラジルが1万900ドルに対して、ノルウエーが5万8,600ドル、米国4万7,400ドル、オランダ4万500ドル、ベルギー3万7,900ドル、日本3万4,200ドル、韓国3万200ドル、チリ1万5,500ドル、メキシコが1万3,800ドルであった。(2011年12月7日付けエスタード紙)