ヨーロッパ諸国の債務危機や米国の経済状況悪化などの影響を受けて、ブラジル企業は国内での投資計画見直しを迫られており、ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済協会(Ibre-FGV)の調査によると、年内の投資が90億レアル減少するために、今年のGDPに対する投資比率は前年の18.4%から18.2%に減少すると予想している。
ヨーロッパの債務危機並びにドルに対するレアル通貨の下落で、多くのブラジル企業は投資計画の見直しを余儀なくされており、ペトロブラス石油公社の第3四半期の投資は前年同期比30%減少の177億9,300万レアル、ヴァーレ社は14.5%減少の58億6,100万レアルとなっている。
FGV財団の9月の月間投資指数(IMI)は前月比0.9%減少して2009年4月以来初めて減少、第3四半期の設備投資向け機械・装置の輸入は前同期比7.1%と、大幅に減少している。
第3四半期のGDPに対する投資比率は18.2%と減少したために、今年の投資総額は前年の7,429億レアルから7,338億レアルに減少すると予想されている。
しかしペトロブラス、ヴァーレ並びにエレトロブラス社を除いた、234大企業の第3四半期の投資総額は前年同期の219億3,100万レアルから287億3,500万レアルに増加している。
第2四半期末のレアル通貨はR$1.56であったが、ギリシャの債務危機の影響を受けてドルが大幅に上昇、第3四半期末にはR$1.85までレアル通貨が下落したために、ドル通貨の負債を抱えるブラジル企業は投資計画の見直しを余儀なくされている。
南米最大の紙・パルプ製造のスザノ社は2012年第1四半期の投資計画を2014年に先送りして、ピアウイ州のパルプ工場の操業は2016年に延長、しかし35億レアル投資予定のマラニャン州のパルプ工場は予定通りに2013年から操業する。
Fibria社では今年の投資計画では2億1,200万レアルをカット、また来年の投資計画でも予算カット、アルセロール・ミッタル社は建設部門や自動車部門向け鋼材を生産する、ミナス州ジョアン・モンテヴァデ工場の拡張工事を先送りする。(2011年11月21日付けエスタード紙)