水力発電所などの大型インフラ整備プロジェクト、ワールドカップやオリンピックの開催や経済加速プログラム(PAC)の大衆住宅建設などが目白押しで、エンジニアが不足して売り手市場となっているために、エンジニアのサラリーが上昇一途の様相をほどこしている。
Michael・Pageコンサルタント社のアウグスト・プリチ取締役は大学新卒のサラリーは4,000レアルから5,000レアルに達しており、企業経営者側にとって大きなコストアップとなっている。
今年のエンジニアに対する募集件数は前年比20%から30%増加、しかしエンジニアの絶対数の増加は雇用件数を大幅に下回るために、引抜合戦の様相となっており、エンジニアの雇用確保が益々、困難となってきている。
ペトロブラス石油公社は2008年から今年9月までにエンジニアを3,100人採用、全従業員5万8,000人中1万1,500人がエンジニアであり、2013年までに更に1,225人のエンジニアの採用を余儀なくされている。
エンジニアリングのEngevix社のクリスチアーノ・コック社長は4年間でエンジニアの実質賃金が40%増加しているとコメント、Maubertecコンサルタント社では新規採用のエンジニアの名目サラリーは27%増加、実質サラリーは10%増加していると説明している。
全国工業連合(CNI)ではPACプログラムによる新規雇用は50万人が必要であると予想、政府系シンクタンクである応用経済調査院(Ipea)では80年代から90年代にかけてエンジニアのサラリーが縮小したために、他のセクターに移動したこともエンジニア不足の一因になっていると説明している。
今後の特にインフラ整備部門やテクノロジー関連部門でのエンジニア不足が予想されているために、更なるサラリーの上昇が見込まれており、ブラジル国内のエンジニアは年間3万5,000人が大学を卒業、今後は2016年までに毎年、10万人のエンジニアが必要となる。
現在、年間3万5,000人の大卒のエンジニアが誕生しているにも関わらず、1/4が学力不足であり、また大半のエンジニアが英語を話せない状況となっている。(2011年11月3日付けエスタード紙)