ヨーロッパの債務危機や米国の景気悪化にも関わらず、9月の海外投資家のブラジルへの対内直接投資である長期投資につながる製造部門への投資は63億3,000万ドルと、9月としては2004年以来の記録となっている。
また今年9カ月間の直接投資は504億5,000万ドルと、貿易収支、サービス収支並びに所得収支などから構成される経常収支赤字を大幅に上回っている。
9月の経常収支赤字は22億ドル、今年9カ月間では359億8,000万ドルに達しているが、世界金融市場の先行き不透明感拡大にも関わらず、海外投資家は国内経済が順調に推移しているブラジルへの投資を拡大している。
特に膨大な原油埋蔵量を誇る岩塩層下(プレソルト)原油開発部門、2014年のワールドカップや2016年のオリンピックなどインフラ部門などの投資が牽引している。
また今月21日までの直接投資は34億ドルと前月比では減少しているが、中銀の金融アナリストは今月末までには40億ドルの直接投資金の流入を予想している。
9月の本国への配当金・利益送金は大幅に上昇したドル高の為替の影響で、ブラジル支店からの送金が減少したことも経常収支の赤字幅を縮小、9月の利益送金は前月の50億ドルから61%減少の19億6,000万ドルに留まった。
また世界金融市場の先行き不透明感の増加の影響で、9月の海外投資家のサンパウロ証券取引所(Bovespa)の投資額は前年同月比10%減少の4億900万ドル、確定金利付きファンドへの投資引上げは13億4,000万ドルであった。
9月のブラジル人の海外旅行による支出はドル高の為替の影響で、前月比6.6%減少の17億7,000万ドルに減少、今年8カ月間では前年同期比40%増加、しかし9月は12%増加、10月は15億ドルに留まると予想されている。(2011年10月26日付けエスタード紙)