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悲観すべき理由など存在しない 2011/10/01

欧州の 経済危機がどのような結果に至るかを予想するのは、容易ではない。その綱渡りの中に無数の変数が存在し、進路を見誤る可能性も否定できない。それでもヨー ロッパが抱える問題に対して2つのシナリオは想定できる。第1に、デフォルトはギリシャ内部の問題にとどまり、欧州コミュニティーは債務不履行の打撃をそ の他の国々と国営金融システムから切り離すことに成功する。もう1つのシナリオはこうだ。デフォルトが、イタリアとスペイン、あるいはそのどちらかを中心 とした欧州の銀行に対しても大きな打撃を与え、その他の国々にも波及するというもの。

最初のシナリオを実現するには、ギリシャの負債を持 続可能な軌道に乗せつつ影響を受けた銀行資本の再構成を進め、同国の負債を再構築する必要がある。ポルトガルとアイルランド、スペイン、イタリアのように 困難に直面しながら支払い能力が残っている国々は、欧州金融安定基金(EFSF)を通じてEUが潤沢な資金を用意し、負債の繰り延べに必要な流動性を確保 する。この場合、ウォルター・バジョットが自身の著作「ロンバード街」で示した提案が応用できる。彼はそこで、金融危機の状況にあっては支払い能力のある 銀行に対して無制限の資金流動性を提供する必要性があると主張した。EFSFは、欧州中央銀行が法的にも概念の上でも実施が困難な部分で重要な役割を担 い、貸し手としての最後の砦になる。対処するには政治的、技術的な困難を伴うが、このシナリオは最も起こりうる可能性が高い。その根拠は、これ以外の選択 肢を選んだ場合のコストがきわめて大きいからだ。

いずれにせよ、主権国家のデフォルトに端を発した金融危機は極めて根が深く、その他の状 況が発生する可能性を排除すべきではない。こちらのシナリオは、主に政治的な障害が理由となって欧州諸国がタイムリーに対応することができなかったことが 原因になる。欧州諸国の指導者らは市場に対して後手に回り、金融危機は封じ込めることができずに波及することで、その対策は協調性が低く各国が個別に対応 することになる。

こうした事態からブラジルが受ける影響は、いずれのシナリオでも、大きな差は生じない。最初のシナリオでは、ブラジル経 済は、世界経済の成長が鈍化することからくる、貿易チャネルからの打撃だ。それは、緩やかなデフレ状況で、GDPの成長率に影響するが、実質的には潜在的 成長余力の脅威にはならない。この場合、中銀の国内経済に対する懸念は、インフレによりフォーカスしたものになる。というのも、需要は引き続き相対的に高 い状態でサービスのインフレは強い下方圧力に見舞われるからだ。もっとも、Copomが最新の議事録で示したような、危機が煽られるような状況にはならな い。

一方、デフォルトが波及した場合、ブラジル経済に対する影響は、リーマン・ブラザーズが破たんした2008年9月に私たちが経験した のと同じような傾向を示す。ブラジルに対する金融危機の伝播は、国内市場のクレジットと金融機関への信頼の影響を伴った、国際的な流動性の収縮がベースに なる。この場合、中銀の悲観的な想定が現実のものとなり、予防的金融緩和を正当化することになる。通貨当局の新たな対策が、利下げであろうと法定準備預金 の切り崩しであろうと、講じられることになる。この想定ケースで理想的なのは、通貨政策に注力した雇用対策を備えた複合的な経済政策であって、2008年 から2009年の経済危機の対応とは反対に税制面での対策を絞ることである。

後者の場合はブラジル経済に対するインパクトが重要になる が、経済危機の影響を一過性のものにとどめるためのマクロ経済のファンダメンタルズと採用可能な対策手段は、2009年当時を例に比較するならば、快適な 条件が揃っている。要約するならば、より困難な状況に陥ったとしても、ブラジルに関して言えば、経済政策の実施につまずくようなことを除いては、悲観的に なるような理由は何もないということだ。

グスタボ・ロヨラ、元中銀総裁 (2011年10月1日付けエスタード紙)



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