今年のヨーロッパなどの先進国の名目財政収支赤字は軒並み高率を記録すると予想されており、米国はGDP比8.8%、日本7.8%、英国は12%の赤字が予想されているが、ブラジルは昨年のGDP比3.3%から好調な国内経済で歳入が大幅に増加しているために、1.7%から2.6%の間が予想されている。
しかし10月の大統領選を前に年金・恩給受給者向けの大幅な年金調整や公務員のサラリー調整などが余儀なくされるために、財政支出の増加に結びつく可能性がある。
昨年のブラジルの財政収支赤字は世界金融危機の影響を受けて歳入が大幅に減少、また国内経済刺激政策として自動車や白物家電向けに工業製品税(IPI)の減税政策採用による歳入減でGDP伸び率はマイナス0.2%に減少、しかし今年はGDP伸び率が5%以上と見込まれているために、大幅な歳入増加が見込まれている。
今年初めの4カ月間の国庫庁への税収は前年同期比19.3%増加、2008年の名目対内公的債務残高はGDP比57.9%であったが、昨年末にはGDP比62.8%まで上昇、今年4月はGDP比60.6%まで減少している。
財政赤字が問題になっているヨーロッパ諸国の今年の財政収支赤字予想ではスペインが9.9%、フランス8.4%、ギリシャ9.9%、ハンガリー5.0%、イタリア5.1%と軒並み5.0%以上の財政赤字が予想されているが、石油収入で潤っているノルウエ-は9.9%の黒字が予想されている。(2010年6月29日付けヴァロール紙)