昨日の通貨政策委員会(Copom)で政策誘導金利(Selic)を0.75%引上げて年利10.25%と1年ぶりに二桁台に利上げされて、実質金利は引き続いて世界トップとなっている。
Selic金利の引上げに伴ってクレジット金利も上昇するために、国内経済の拡大スピードは減速を予想、しかし内需拡大に伴ってインフレ圧力が増加しているために、Selic金利が一桁台になるのは2011年以降になると予想されている。
大半の金融スペシャリストは7月並びに9月のCopom委員会でSelic金利はそれぞれ0.75%引上げられて年末には11.75%になると予想、しかし今後さらにインフレ圧力が強まれば、10月と12月のCopom委員会で小幅な利上げの可能性も否定できない。
2003年にルーラ大統領が就任した時のSelic金利は年利26%でSelic金利が一桁台に低下するのは経済担当班の夢であると述べていたが、昨年6月から1年間も一桁台を維持していた。
昨年のインフレ指数は4.31%、今年は6%が予想されているが、連邦政府のインフレ指数の目標上限である6.5%を突破する可能性も否定できない。
今回のSelic金利の0.75%の引上げでインフレ指数を差引いたブラジルの実質年利は5.2%と2位の中国の2.4%を大幅に上回り、インドネシア2.2%、ロシア1.7%、南アフリカ並びにオーストラリア1.6%、デフレの日本は1.3%、ポーランド1.1%、コロンビア並びにマレーシアは1%となっている。(2010年6月10日付けエスタード紙)