国連貿易会議(UNCTAD)の調査によると昨年のブラジルへの対内直接投資額(IED)は前年比49%減少の228億ドルに留まって、世界平均の39%減少を大幅に上回った。
ブラジルはBRICs諸国の中で最もIEDの減少幅が大きく、中国のマイナス2.6%、インドのマイナス19%、ロシアのマイナス41.1%を上回った。
昨年の中国へのIEDは前年の6位からフランス、英国などを上回る900億ドルで1,359億ドルの米国に次いで2位に上昇した。
昨年の世界のIED総額は1兆ドルと前年の1兆7,000億ドルから大幅に減少、特に米国、英国、スペイン、フランス並びにスエーデンへの対内直接投資が大幅に落ち込んだ。
昨年の米国へのIEDは企業の買収・合併が大幅に減少して前年比マイナス57%の1,359億ドル、ヨーロッパは多国籍企業の海外支店からの利益・配当金送金の減少が大きく影響している。
昨年のチェコ共和国のIEDは63%減少、英国は前年の960億ドルから92%減少の70億ドルとメキシコやチリを下回った。
昨年の発展途上国の平均IEDは35%減少して総額6,200億ドルと6年連続で上昇していたが、企業の利益、株価や企業の買収・合併の減少で一転して減少に転じた。
2008年のブラジルの対内直接投資は451億ドルで世界ランク9位であったが、昨年は228億ドルまで減少して12位に転落してイタリア、インド並びにドイツに追い越された。
ブラジル国内では鉄鉱石生産セクター、石油精製や天然資源セクターの対内直接投資が大幅に減少、金融危機の影響を大いに受けた本国への利益・配当金送金が対内直接投資の大幅な減少につながっている。
昨年のラテンアメリカへのIEDは40.7%減少、メキシコはブラジルに次いで130億ドル、アルゼンチンへのIEDはペルーやコロンビアを上回った。(2010年1月20日付けエスタード紙)
