大量のドルの流入継続でレアル高に歯止めがかからず、昨日の為替はR$1.70を割込んで今後も益々レアル高の為替が予想され、金融危機で輸出が落込んでいる上にレアル高で価格競争力が削がれて更なる落ち込みが見込まれている。
連邦政府は現在の状態を放置すれば年末までに更に200億ドルから300億ドルの流入を予想、ドル流入に歯止めをかけるために海外投資家の確定金利付ファンド並びに国債購入に対して金融取引税(IOF)徴収を検討している。
レアル高の為替は輸出競争力を損ねるが、インフレ抑制、輸入機械・装置が割安となるために設備投資拡大や短期間の国内総生産増加効果などポジティブな面も否定できない。
しかし2008年1月には前年末で廃止となった通称小切手税と呼ばれた金融取引暫定納付金(CPMF)の税収を補うために、連邦政府は特定クレジットと為替取引に0.38%のIOFを徴収した。
しかし同年3月には輸出関連のIOFを廃止、海外投資家の確定金利付ファンド並びに国債購入に1.5%のIOFを徴収して為替コントロールを試みたが、更なるレアル高の為替に傾いて効果がなく、金融危機直後の昨年10月にIOFを撤回していた。(2009年10月16日付けエスタード紙)