先週の通貨政策委員会(Copom)で4月から継続していた誘導政策金利(Selic)の引上げが中断して13.75%に据置かれたが、昨日、発表されたCopom議事録ではインフレ抑制の金融引締め対策として、Selic金利の引上げの可能性も示している。
国内経済の需要カーブは供給カーブを上回っているためにインフレリスクが高く、また世界経済金融危機の影響でドル高に傾いている為替も短期間でのインフレリスク要因となっている。
クレジット縮小が進行して金利が上昇すれば、需要抑制となってインフレ抑制につながるが、景気後退に落ちる可能性が大きく、今後のブラジル経済の先行きが不透明であるために、Selic金利の据置を決定している。
また通貨政策委員会では物価上昇を抑制するためにSelic金利の引上げの可能性を暗示、来年のインフレの中央目標値を4.5%と引続き設定して厳守するが、過去12ヶ月間の広範囲消費者物価指数(IPCA)は6.25%に達している。
世界金融危機は先進国に深刻な影響を及ぼしているが、新興国ではまだ影響がはっきり判らないが、今後は為替やインフレで大きく影響を及ぼすと見込まれている。(2008年11月7日付けエスタード紙)