ブラジル経済に占めるコモデティ関連部門の増加は国際コモデティ価格に左右されるために、ブラジル経済の感応度(センシティビティ)が増加、過去10年間ではコモデティ関連部門の鉱工業及び輸出に占める比率がそれぞれ20%増加している。
鉱工業部門に占めるコモデティ商品比率は1996年の37.6%から2006年には45.6%、輸出に占める比率は1998年の38.6%から今年上半期は48.2%とそれぞれ大幅に上昇している。
国際コモデティ価格の下落並びにレアル通貨の下落の貿易に与える影響は非常に大きいが、一方ではドル高の為替はコモデティ商品価格の下落を補う作用をしている。
ブラジルの鉱工業部門の第一次産業セクターの比率が増加傾向にあり、1996年の石油派生品部門は4.75%を占めていたが、今では9.65%に上昇、食肉生産部門は石油部門についで2位、鉄鋼関連部門は4.46%、紙・パルプ部門は3.07%それぞれ占めている。
自動車工業部門や資本財部門も大幅に増加してきているが、コモデティ製品部門の比率が益々増加傾向にあり、今後は鉄鋼部門や紙・パルプ部門に比率上昇が見込まれている。
今年の鉄鋼生産能力は4,160万トンで2012年には8,220万トン、成長の早いユーカリや植林地帯の土地面積が安いブラジルのパルプ生産は価格競争力が強くて現在の生産量1,210万トンから2,380万トンの増産が見込まれている。
今年6月末から現在までの農産物、金蔵や石油関連などの19コモデティ商品の平均価格は24.1%下落しているが、過去12ヶ月間では7.4%増加、金属関連コモデティは17.3%下落、農産物は15%下落しているが過去12ヶ月間では15.9%値上がりしている。
国内市場の大きいブラジルでは鉄鋼製品消費の75%は国内であり、2008年から2011年までの造船部門への投資は前同期比68%増加の362億レアル、自動車工業部門は2011年までに前同期比20.5%増加の315億レアルの投資が見込まれている。(2008年9月19日付けヴァロール紙)