2006年のブラジルへの海外からの直接投資は188億ドルであったが、昨年は99.3%増加の 374億ドルと伸び率では発展途上国の中ではトップを記録、今年7月までの直接投資はすでに200億ドルに達して昨年並みの直接投資が見込まれているが、国際金融市場がボラティリティに包まれている現在は世界の直接投資は昨年同期比37%も落込んでいる。
南アフリカ資本のアングロ・アメリカン社はブラジルに進出して24年になるが、昨年まではブラジルは同社の支社でも最も投資額が低かったが、MMXからの鉄鉱山買収で今ではチリと中国に並んで最も多くの投資を受けており、これらの国には2010年までに100億ドルの投資が予定されている。
コントロールされたインフレ、実質賃金の上昇、拡張の一途を辿るクレジット販売、毎年記録更新する自動車販売、好調な建設業、食品、金融や家電業界などの内需が旺盛で、今後の計り知れない潜在購買力など海外からの直接投資を呼び込める要素が無数にある。
また膨大な天然資源や優秀なマンパワーを持っているブラジルはBRICs諸国でも海外直接投資では注目される国となっており、アルセロール・ミッタルもミナス州内の鉄鉱山を8億3,000万ドルで買収している。
1995年にブラジルに進出したウォールマートは2004年からすでに30億レアルを投資、今年は12億レアルの投資を予定しているが、ブラジルへの投資は他の発展途上国よりも優先されており、カーレフールも昨年にアタカダンを22億レアルで買収している。
BRICs諸国との比較では国内経済の伸び率はロシアに次いで2位、優秀な労働力確保ではインドに次いで2位、投資環境の安定度は中国に次いでいるが、労働賃金はBRICsの中では最も高い。
2006年から2007年にかけてメキシコはブラジルに次いで直接投資が92.9%増加、ロシアは70.3%、シンガポールは52.6%と大幅に増加したが、中国はマイナス3.1%、インドはマイナス9.4%を記録している。(2008年8月25日付けエスタード紙)