連邦政府によるCOVID-19パンデミック対応の昨年上半期からの月額600レアルの緊急給付金(auxílio emergencial)支給、昨年9月から半額の300レアルの給付金支給は昨年12月をもって終了した。
連邦政府による緊急給付金(auxílio emergencial)支給終了に伴って、2021年のブラジル国内の1日当り1.90ドル以下での生活を余儀なくされる貧困層人口は、1,700万人以上の上昇すると予想されている。
COVID-19パンデミック対応の月額600レアルの緊急給付金(auxílio emergencial)支給、9月から半額の300レアルの支給で、2020年のブラジル国民の所得格差は圧縮していたが、今年は緊急給付金の支給停止で、340万人が再度最貧困層に下落するために、再び格差が拡大すると予想されている。
ブラジル地理統計院(IBGE)の全国家庭サンプル調査(Pnad)によると、2021年のブラジル国内の最貧困層の人口は、1,730万人に達する可能性を指摘、調査開始した2021年以降では最悪になる可能性を指摘している。
ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)の調査によると、2020年11月の社会における所得の不平等さを測る指標のジニ係数は0.494であったが、緊急給付金の支給がなければジニ係数は0.542に上昇して、所得格差が拡大していた。
昨年11月のインフレ指数を差引いたブラジル国民一人当たりの平均所得は、1,286レアルと緊急給付金の支給開始の昨年5月よりも5.8%増加していた。
連邦政府は緊急給付金の支給停止に伴って、連邦政府はボルサ・ファミリア政策拡大の議論再開を予定しているが、先週ボルソナロ大統領は「国民一人一人の月間5,000レアルの給付金を支給すれば、誰も働かなくなる」と皮肉っている。