今月6日発表のブラジル地理統計院(IBGE)の全国家庭サンプル調査(Pnad)によると、ブラジル人口の50%に相当する1億500万人は、1日当たりの必要最低限の生活費が15レアル以下での耐乏生活を余儀なくされている。
ブラジルの総人口の10%に相当する2,095万人の最貧層は、月間平均112レアルでの生活を余儀なくされており、1日当たりの平均生活費は3.73レアルに留まっている。
一方ブラジルの総人口の1.0%に相当する200万人の富裕層の月間平均生活費は、前年比2.7%増加の1万7,373レアルで最貧層との生活レベルは二桁の違いが生じている。
収入等がどれくらい均等に分配されているかを0から1の数字で表す指標で、0に近いほど平等に分配されており、1に近いほど格差が大きいことを示すジニ係数の比較では、2018年のジニ係数は0.545であったが、2019年は0.543と僅かに所得格差は改善されているものの富裕層の所得増加率は最貧困層の3倍を記録していた。
ブラジル国内の一般家庭の一人当たりの平均月収は1,406レアルとなっているが、北部地域の一人当たりの平均月収は872レアル、北東部地域884レアルとブラジルの平均月収1,406レアルを大幅に下回っている。
一方ミナスジェライス州、エスピリト・サント州、リオデジャネイロ州並びにサンパウロ州で構成されるブラジル経済の中心地で全人口の 42%に当たる約 8,000 万人並びにブラジル GDP の 56%を生み出している南東部地域の一人当たりの平均月収は1,720レアルと北部地域の2倍に相当し、地域格差が非常の大きいい。
2019年の一般家庭の所得総額は2,943億9,600万レアル、10%の最貧層の所得総額は全体の僅か0.8%を占める一方で、10%の富裕層の所得総額は42.9%を占め、依然として所得格差社会を形成している。