ペトロブラス石油公社と政界の癒着を洗い出す目的で、連邦警察が2014年初めに開始した特別捜査「ラヴァ・ジャット作戦」並びに税務管理審議会(Carf)メンバーが罰金を言い渡されている企業から罰金軽減するための賄賂を受け取っている汚職事件「Zelotes作戦」、マット・グロッソ州(MT)で発生したダミー会社などを使った贈収賄と資金洗浄、犯罪組織形成の汚職事件「Ararath」に関わった法人並びに個人が最後の滞納税回収計画(Refis)で38億5,000万レアルの罰金や利子の割引に成功している。
特にペトロブラス石油公社並びに政界との癒着でブラジルの最大の汚職事件に発展した「ラヴァ・ジャット作戦」関係者は、Refisで総額33億4,000万レアルが罰金や利子割引に成功している。
法人並びに個人が滞納税回収計画(Refis)で罰金や利子を支払えば刑罰軽減や免除となるために、脱税の温床になる可能性を国庫庁監査局のイアガノ・マルチンス局長は指摘している。
2000年に法人所得税(IRPJ)並びに純益に対する社会納付金(CSLL)の滞納する企業に対して、国庫庁では、企業側が税金を払えば利息と刑罰が軽減される制度である滞納税回収計画(Refis)を開始した。
連邦政府では、今年の財政プライマリー収支赤字を上限許容値以内に収めるために、滞納税回収計画(Refis)の度重なる変更を余儀なくされている。また全国の多くの各州政府や市役所の地方政府の収税局では、財政赤字を軽減するために滞納税回収計画(Refis)の罰金や利子の割引を余儀なくされている。ブラジルの14州政府や16州都では、滞納税回収計画(Refis)で100%の罰金や利子の割引を実施している。
「ラヴァ・ジャット作戦」並びに「Zelotes作戦」に関連している32上場企業の売上総額は、7,560億レアルでブラジルのGDP比14%に匹敵しているが、「ラヴァ・ジャット作戦」はブラジルの歴史上最大の汚職撲滅捜査に発展、大企業の経営者や大物政治家に対しても刑事訴追、有罪判決が下され、多くの容疑者が減刑付き供述に応じている。
「ラヴァ・ジャット作戦」並びに「Zelotes作戦」、「Ararath」の3件の汚職事件で脱税容疑や不正財産隠遁容疑として捜査対象になったのは、3416人に達している。
国庫庁では歳入増加を目的に滞納税回収計画(Refis)では、滞納している法人並びに個人に対して罰金の70%並びに利子の90%割引でRefis導入を促しているが、アマゾナス州並びにマラニョン州、セアラー州、パライーバ州、ゴイアス州、南大河州では、2017年度の滞納税回収計画(Refis)で罰金や利子を100%割引していた。(2018年5月16日付けエスタード紙)