ブラジル地理統計院(IBGE)の鉱工業部門生産調査(PIM-PF)によると、2018年3月の鉱工業部門の生産(GDP)伸び率は、前月比マイナス0.1%を記録、また金融機関20行対象の調査結果のGDP伸び率0.5%増加に反転するマイナスを記録した。
今年2月の鉱工業部門のGDP伸び率は、前回発表の0.2%増加から0.1%増加に修正されたために、今年第1四半期の鉱工業部門のGDP伸び率は前四半期比では同率となっている。
3月の鉱工業生産がマイナスを記録した要因として、銀行金利の低下並びにコントロールされているインフレ指数にも関わらず、今年10月の不透明な大統領選結果並びに回復が非常に遅れている正規雇用、改善しない連邦政府の財政収支などが企業経営者の投資意欲を削いで酸素不足を発生させていると産業開発研究所(Iedi)エコノミストのラファエル・カジニン氏は指摘している。
今年第1四半期の鉱工業部門GDP伸び率は前年同期比3.1%増加、3月の過去12カ月間では2.9%増加、3月の前月比1.3%増加は2017年6月以降では最低の伸び率に留まっている。
また3月の鉱工業部門生産の60%を占める中間財セクターのGDP伸び率は、前月比マイナス0.7%を記録して3カ月連続でマイナスを記録したものの、耐久消費財セクターは自動車並びにテレビ生産が牽引して1.0%増加している。
3月のバスやトラックを含む自動車セクターの生産伸び率は、前月比1.8%増加して2月の1.2%増加よりも拡大、また3月の情報機器並びに電気・電子機器、光学機器セクターは4.9%増加している。
最近のレアル通貨下落は、完成品輸出に拍車をかけるために資本財セクターや耐久消費財セクターにとっては追い風になるとMB Associados社チーフエコノミストのセルジオ・ヴァーレ氏は指摘している。
未だに尾を引くラヴァ・ジャット汚職問題や10月の大統領選挙などの国内の不安定要因で、今年の鉱工業部門のGDP伸び率は4.0%増加をMB Associados社では予想しているにも関わらず、同社のヴァーレ氏は、GDP伸び率は3.0%に達しない可能性を指摘している。
3月の鉱工業部門のGDP伸び率は前月比マイナス0.1%、前年同月比1.3%増加、今年第1四半期のGDP伸び率は前年同期比3.1%増加、前記同様にそのうちの資本財セクターは2.1%増加、8.3%増加、10.8%増加している。
また前記同様に中間財セクターはマイナス0.7%、マイナス0.2%、1.7%増加、非耐久消費財は0.2%増加、マイナス1.7%増加、0.8%増加している。(2018年5月4日付けヴァロール紙)