来週ブリュッセルで開催されるEUメルコスールとの経済連携協定会合では、締結に向けた話し合いが前進するとサンパウロ州工業連盟(FIESP)国際関係担当のトーマス・ザノット取締役は予想している。
EU側が提示した牛肉の無関税枠がフランスやアイルランドの抵抗で僅か7万トンであったが、無関税枠を11万トンに拡大する可能性がある一方で、EU側は、ヨーロッパ域内からの自動車輸出に対する8年間での輸入関税撤廃に対して、メルコスール側は、15年から10年~12年での関税撤廃の可能性が出てきている。
メルコスール側では、自動車関税撤廃時期の短縮及び撤廃開始据置期間の撤廃も示唆しているが、メルコスール域内の自動車メーカーは、2年~3年の撤廃開始据置期間を要請している。
ドイツを中心にEU側の工業国では、頻繁に設備投資の交換を行うために、オーバーホール済みの新品同様の機械・装置や新品同等のクオリティを擁するタイヤの輸出交渉は難航が予想されている。
またメルコスール側では、繊維・縫製品に関するEU側が要求する原産地規制の受け入れ問題も未だに存在するが、EU側はブラジル並びにパラグアイDrawback制度の重要性に理解を示している。
2017年のEU側とメルコスール側の貿易総額は800億ドル、メルコスールの貿易赤字は3億6,200万ドル、メルコスールからの輸出は食品関連が15%、金属10%、大豆が7.0%を占めた。
一方EU側からの輸出として、ボイラー類が19%、医薬品11%、電気機器・機械類が9.0%を占めた。今年第1四半期のブラジルからEUへの完成品輸出は、前年同期比74%増加の49億ドルに達している一方で、ヨーロッパからブラジルへの完成品輸出は10%増加の79億ドル、そのうちEU側からの輸出は60%を占めている。(2018年4月18日付けヴァロール紙)