ゼツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre-FGV)の調査によると、2018年2月の鉱工業生産伸び率は、金融市場の予想である0.6%増加を大幅に下回る0.2%増加に留まっている。
今年2月の鉱工業生産伸び率が僅か0.2%増加に留まった要因として、鉱業部門伸び率がマイナス5.2%を記録、また調査対象の26セクターのうち伸び率増加を記録したのは、14セクターに留まっている。
今年第1四半期の鉱工業生産伸び率は、製造業部門並びにサービス業部門伸び率が停滞する一方で、農畜産部門が予想を上回る伸び率の前四半期比0.7%増加をゼツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre-FGV)のジュリオ・メレブ調査員は予想している。
ブラジル地理統計院(IBGE)のブラジルの鉱工業部門生産調査(PIM-PF)によると、今年2月の鉱工業生産伸び率0.2%増加は、耐久消費財が1.7%増加して牽引した一方で、中間財並びに非耐久消費財がマイナスを記録、今年1月の鉱工業生産伸び率は、前月比マイナス2.2%を記録していた。
今年2月の耐久消費財が1.7%増加した要因として、ポータブル家電やオートバイ、家具類の販売増加、特に今年6月、7月のサッカーワールドカップ向けテレビ販売増加が特筆される。
今年2月の石油並びに鉄鉱石などの鉱業部門生産伸び率は、前月比マイナス5.2%を記録、2015年11月に発生したミナス・ジェライス州のサマルコ社の鉱山廃水用ダムの決壊事故によるマイナス11.0%以降では最大の落込みを記録している。
昨日発表のブラジル地理統計院(IBGE)のブラジルの鉱工業部門生産調査(PIM-PF)によると、2018年2月の鉱工業生産は前月比0.2%増加、前年同月比2.8%増加、過去12カ月間では3.0%増加している。
前記同様に鉱工業部門の資本財セクターは0.1%増加、7.8%増加、7.2%増加、中間財セクターはマイナス0.7%、1.5%増加、2.1%増加、耐久消費財セクターは1.7%増加、15.6%増加、14.2%増加、非耐久消費財セクターはマイナス0.6%、1.6%増加、1.1%増加している。
1年半にわたって継続する中銀による政策誘導金利(Selic)の引下、ブラジルの輸出を牽引するアルゼンチンでの投資増加が牽引して、国内経済は緩やかなカーブを描いて上昇するとブラジル地理統計院の大半のエコノミストは予想している。
イタウー銀行エコノミストは、今年3月の鉱工業部門の生産伸び率は前月比0.6%増加を予想、コンサルタント会社Mongeral Aegon社では0.5%増加を予想している。
昨年の勤続期間保障基金(FGTS)の凍結預金引出による消費の活性化もなく、また高い失業率の影響で、今年3月の鉱工業生産伸び率は0.3%増加、第1四半期は0.2%増加に留まるとコンサルタント会社Pezco Economics社のエルシオ・タケダ氏は予想している。