ブラジルは人口に対する若年層の比率が先進諸国より高いにも関わらず、年金・恩給に対する支出は調査対象86か国中で13位を占めており、また60歳以上の高齢者の比率は56位であった。
現在の社会保障院(INSS)の年金・恩給支出はGDP比7.9%を占めているにも関わらず、ブラジルの人口構成比から計算される年金・恩給支出はGDP比4.0%前後が適正とされている。
連邦政府の年金・恩給支出総額は60歳以上の人口比が25%を占める国に相当しているにも関わらず、ブラジルの60歳以上の人口比は僅かに10.8%を占めているに過ぎない。
昨年の社会保障院(INSS)の赤字は860億レアル、2017年は1,800億レアルに拡大すると予想、連邦統合予算(OGU)の枠を超えるために早急な年金改革の実施をエリゼウ・パジーリャ官房長官は強調している。
1995年の社会保障院(INSS)の年金・恩給支出はGDP比4.0%、2014年にはGDP比7.0%まで上昇しているが、すべての労働者が15年間の年金向け納付金を納めれば男性は65歳、女性は60歳で年金入りしても赤字にはつながらない。
エクアドルはラテンアメリカ地域で唯一、年金積立金期間による年金受給制度を採用しているにも関わらず、男女とも満額の年金を受け取るには40年に亘って積立金を納めなければならない。
現在のブラジルの60歳以上の年齢層は人口の10%強、2060年には1/3以上になると社会保障院では予想しており、人口当たり2.2人~2.3人で1人の年金受給者を支える必要があると予想されている。
日本は60歳以上の高齢者比率が人口の30.7%でトップ、年金・恩給支出はGDP比10.1% 、前記同様にイタリアは26.8%、14.9%、ドイツは26.0%、10.6%、ベルギーは25.4%、9.2%、5位のスエーデンは25.0%、8.2%となっている。
前記同様に56位のブラジルは10.8%、11.0%、82位のモンゴルは5.7%、4.9%、84位のカンボジアは5.3%、0.6%、85位のバヌアツ諸島は5.2%、0.3%、最下位86位のタジギスタンは4.8%、4.0%となっている。(2016年8月9日付けエスタード紙)