ミッシェル・テーメル暫定政権のエンリケ・メイレーレス財務相は、2017年の財政プライマリー収支赤字を1,390億レアルに設定、今年の財政プライマリー収支赤字1,705億レアルよりも315億レアルの削減するため最大限の歳出削減を余儀なくされている。
エンリケ・メイレーレス財務相を柱とする経済班が作成した2017年度予算案には、通称「銀行小切手税」と呼ばれる金融取引暫定納付金(CPMF)の徴収再開が非常に困難なために、Cプランと呼ばれる増税もしくは新たな税金創出で80億レアルの臨時歳入を見込んでいる。
テーメル暫定政権による2017年度予算案の国会提出は、政治的混乱を避けるために停職中のジウマ・ロウセフ大統領の上院での罷免採決後になると予想されているが、遅くとも8月31日までに国会に提出しなければならない。
2017年の財政プライマリー収支赤字1,390億レアルのうち550億レアルは、臨時歳入を予定しており、国会でのCPMF税の徴収再開が困難なために、国会の承認を得なくても大統領令で徴収可能な工業製品税(IPI)並びに金融取引税(IOF)の課税率引上げなどを検討していると予想されている。
先週日曜日にエンリケ・メイレーレス財務相は財政プライマリー収支コントロールのために、A プランとして予算作成時の公共支出調整率上限設定による厳格な歳出削減、Bプランとしてインフラ設備投資向けの民営化促進、Cプランとして増税を挙げていた。
2017年のCPMF税の徴収再開で332億4,000万レアルの歳入増加に結び付くにも関わらず、国会通過の可能性は殆どなく、また新規の税金創出も困難なため、既存の税金徴収率の引上げによる税収増加を余儀なくされると予想されている。(20176年7月15日付けエスタード紙)