停職中のジウマ大統領に代わって政権運営を担っているミッシェル・テーメル臨時大統領は、財政プライマリー収支赤字を最大限に抑えるために、財政改革に伴う憲法改正法案(PEC)の一環として、予算作成時の公共支出調整率の上限設定について発表していた。
しかし停職中のジウマ大統領の罷免問題で与野党間の政治駆け引きが厳しさを増しているために、1,250億レアルに達する善意のパッケージ発表で非常に難しい政治運営を余儀なくされている。
2018年まで継続する年金・恩給受給者を含む司法関連公務員の給与調整による680億レアルの臨時財政支出、財政破たんしている州政府に対する連邦政府への債務返済を一時的に猶予などによる500億レアルの支出につながっている。
またオリンピック開幕を8月に控える中、深刻な財政難を訴えて緊急事態を宣言したリオ州政府に対する29億レアルの緊急支援を実施、ブラジルの貧困層対策の「ボルサファミリア」に対する支給額の12.5%調整、地方政府の基礎教育向け特別支出7億4,280万レアルの臨時支出となっている。
ミッシェル・テーメル暫定政権は、財政支出削減として早急な年金改革案も国会に提出しなければならないが、停職中のジウマ大統領罷免に必要な上院議員の賛成票確保のために、善意のパッケージ発表を余儀なくされている。(2016年6月30日付けエスタード紙)