オリンピック開催を49日後に控えた今月16日に、深刻な財政危機に陥っているリオ州政府は、オリンピックとパラリンピック開催の義務を果たすことができないと、連邦政府から緊急財政支援を引き出す狙いで非常事態宣言をしたと予想されている。
リオ州政府の非常事態宣言を受けて、ミッシェル・テーメル臨時大統領並びにエンリケ・メイレーレス財務相、リオ州のフランシスコ・ドルネーリ代理知事、国庫庁のアナ・パウラ・ヴェスコヴィ局長は、ブラジリア市のジャブルー宮で会合、連邦政府はオリンピック開催のためにリオ州政府へ30億レアルの緊急融資決定を余儀なくされた。
非常事態宣言をしたリオ州政府では、財政困難に陥って緊急患者対応施設の閉鎖を余儀なくされており、4月に州立衛生関連職員への給与支払い遅延による州立血液銀行の業務停止、6月に鑑識病院(IML)での業務停止などが発生している。
またオリンピック開催が50日を切ったリオ市では、地下鉄4号線の東部地域のバーラ・ダ・チジューカ駅と南部地域のイパネマ駅を結ぶ工事完成のための5億レアルの資金調達ができていない。
ここ数年間にリオ州の歳入に大きく貢献していた石油の国際コモディティ価格が低迷しており、今年に入ってリオ州職員に加えて警察官や教師の給料を払えない状況が続いており、オリンピック会場への重要なアクセスとなる地下鉄の建設工事も大幅に完成が遅れており、オリンピック開催への混乱が憂慮されている。
また連邦政府からオリンピック開催のために緊急財政支援を引き出す狙いで、宣言された非常事態の宣言効果が財政危機に陥っている南大河州、ミナス州に及ぶことが憂慮されている。
2015年のリオ州政府の歳入総額は、石油国際コモディティ価格下落によるロイヤリティ収入の減少に伴って前年比11.0%と大幅に減少、アクレ州並びにロンドニア州も前年比9.0%減少、一方でパラ州は10%増加、パラナ州は9.0%、サンタ・カタリーナ州の8.0%増加していた。
5月のリオ州政府は州公務員の70%に相当する給与の支払いに留まっており、州公務員39万3,143人の給与支払いに影響が及んでおり、給与の分割払いで急場をしのいでいる状態が続いている。(2016年6月18日付けエスタード紙)