ブラジル地理統計院(IBGE)の製造業部門生産調査(PIM)によると、4月の鉱工業部門の生産は前月比0.1%増加、3月の1.4%増加に続いて2カ月連続で増加して景気の底を打った可能性も否定できない。
4月の鉱工業生産増加の一因として、サトウキビ収穫の前倒しによる食品セクターやバイオ燃料セクターの生産増加、また資本財メーカーの生産は4カ月連続で上昇している。
AE Projeções 並びにAgência Estadoでは、4月の鉱工業部門の生産は前月比マイナス0.9%を予想していた。多くの鉱工業メーカーでは過剰在庫を抱えているが、在庫のピークはすでに過ぎているとPine銀行エコノミストのマルコ・カルゾ氏は説明している。
またスールアメリカ・インベスティメント社エコノミストのニウトン・カマルゴ氏は、2カ月連続で鉱工業部門の生産が上昇に転じているのは経済回復サイクルに突入した可能性があると説明している。
4月の鉱工業部門の24セクター対象の製造業部門生産調査(PIM)によると、そのうち13セクターで前月比を下回っており、高いクレジット金利や与信強化、高止まりするインフレ、上昇を続ける失業率などで景況感の改善が表れてないとブラジル地理統計院(IBGE)のアンドレ・マセード部長が説明している。
4月の鉱工業部門の生産は前月比0.1%増加、前年同月比マイナス7.2%、今年4か月間の累積ではマイナス10.5%、4月の過去12か月間ではマイナス9.6%となっている。
前記同様に資本財セクターは1.2%増加、マイナス16.5%、マイナス25.9%、マイナス27.9%、中間財セクターは0.5%増加、マイナス7.5%、マイナス9.6%、マイナス7.3%となっている。
また前記同様に消費財はマイナス0.9%、マイナス4.0%、マイナス8.3%、マイナス9.3%、そのうち耐久消費財セクターはマイナス4.4%、マイナス23.7%、マイナス26.5%、マイナス22.3%、非耐久消費財セクターはマイナス0.6%、1.9%増加、マイナス2.8%、マイナス5.7%となっている。(2016年6月3日付けエスタード紙)