僅か就任後1週間しか経過していないエンリケ・メイレーレス財務・社会保障相に対して、早急な財政改革を柱となる年金改革の早急な詳細発表が催促されている。
すでに年金・恩給受給者は年金改革の対象外であり、年金受給最低年齢として男性は65歳、女性は60歳、年金納付期間は男性35年間、女性30年間で年金改革が実施されるとの風潮が国民の大勢を占めている。
今後労働市場に参入する若年層対象の年金改革では、効果が表れるのは今後数十年後であるために、既得権利を擁している年金・恩給受給者にも影響が及ぶ可能性をエンリケ・メイレーレス財務・社会保障相は明確には否定していない。
エンリケ・メイレーレス財務・社会保障相はSBT放送局とのインタビューで、最低年金受給年齢が男女とも65歳は、国家財政の破たんを防ぐためには、多くに先進諸国で採用を余儀なくされていると説明している。
またメイレーレス財務・社会保障相は30日以内に新しい年金改革の詳細発表を予定しているが、国民に痛みを伴わない年金改革は存在しない上に、次期大統領にとってインパクトが非常に大きく、ブラジルが財政危機を脱出するためには、年金改革や構造改革に大ナタを振るわなければならないと国民の理解を求めている。
しかし中央統一労組(CUT/SP)のジョアン・カイレス事務局長は、メイレーレス財務・社会保障相が否定しない現役労働者にも影響が及ぶ年金改革に対して、年少児から労働を余儀なくされた貧困層へのダメージが最も大きいと反対している。
罷免による180日間の停職中のジウマ・ロウセフ大統領が発表していた個人所得税の税率変更並びにボルサ・ファミリアの調整、公務員のサラリー調整、通称「銀行小切手税」と呼ばれる金融取引暫定納付金(CPMF)の徴収再開などは、何も決定していないとメイレーレス財務・社会保障相は説明している。
またレアル通貨に対するドル為替の変動は、豊富な外貨準備金で充分対応が可能であり、今週ペトロブラスは67億5,000万ドルの社債発行では大きな需要があったために、更なる増資は必要ないとメイレーレス財務・社会保障相は説明している。(2016年5月19日付けエスタード紙)