継続する経済リセッションや商業銀行の高金利並びにクレジット縮小、一般家庭の負債増加や失業率急増で、過去6年間のブラジル国内消費は、アルゼンチンのGDPに匹敵する1兆6,000億レアル減少、また今年末のブラジルの国内消費は、GDPのマイナス3.5%に匹敵する水準まで落ち込むと予想されている。
インフレ指数を差引いた今年のブラジル国内の実質消費は3兆8,700億レアルまで減少するとIPC Marketing社では予想、すでに多くのブラジル人は可処分所得減少でスーパーマーケットでの消費削減、自動車や住宅購入の先送り、海外旅行から国内旅行への切替を余儀なくされている。
2011年から2014年にかけて一般家庭の消費の伸び率は、GDP伸び率を上回っていたにも関わらず、昨年のGDP伸び率マイナス3.8%に対して、一般家庭の消費はマイナス4.0%と下回り、失業率増加や高止まりするインフレや実質賃金の目減りで、景気の底な見えない経済リセッションに落ち込んでいることが鮮明となっている。
また今年のGDP伸び率はマイナス3.5%、一般消費はマイナス3.3%とそれぞれ予想されている一方で、ミッシェル・テーメル臨時政権が早急な経済浮揚政策の導入如何で一般消費者や企業経営者の景況感が左右され、景気回復サイクルに突入する可能性も期待できる。
ルーラ政権誕生翌年の新車販売は157万台、ジウマ政権誕生翌年の新車販売は380万台に達したものの2013年は376万台、2014年は349万台、2015年は256万台と3年連続で前年割れを記録、今年は二桁台に達する失業率で昨年を下回ることが確実視されている。
2015年の各自動車メーカーは販売不振による在庫調整のために1万4,400人の従業員解雇を余儀なくされたが、今年初め4か月間の解雇総数は1,400人に達しており、昨年の自動車ディーラーでの従業員解雇総数は3万2,000人、今年は1万6,500人が更に解雇されると予想されている。
2015年の自動車部品メーカーは、各自動車メーカーの生産調整の煽りを受けて2万9,800人が解雇されたが、今年は更に8,400人が人員整理の対象になると予想されている。(2016年5月15日付けエスタード紙)