2016年のインフレ指数の消費者物価指数(IPCA)は、急上昇するレアル通貨に対するドル高の為替並びに燃料派生品価格の値上げの影響で、連邦政府目標の許容上限値6.5%を突破する可能性が濃厚となってきている。
ファクター銀行チーフエコノミストのジョゼ・フランシスコ・デ・リマ・ゴンサルヴェス氏は、2016年のIPCA指数は2年連続で許容上限値6.5%前後になると予想している。
先週、ペトロブラスのアルデミール・ベンジーニ(Aldemir Bendine)総裁はガソリン並びにディーゼルなどの燃料派生品価格の値上げを発表、石油製油所のガソリン卸売価格は6.0%、ディーゼル卸売価格は4.0%それぞれ値上げされた影響で今年のインフレ指数は10%を超えると予想されている。
今年のインフレ指数の更なる上昇は燃料派生品価格の値上げの影響が大きいが、2016年のインフレ指数の更なる上昇はドル高の為替が牽引するとLCA社エコノミストのファビオ・ラモン氏は指摘している。
連邦政府は今年の財政プライマリー収支黒字目標のGDP比1.13%に相当する663億レアル達成は不可能と判断、8月にGDP比0.15%に相当する87億4,000万レアルに下方修正、連邦政府は新たに2016年の財政プライマリー収支黒字 GDP比0.7%に相当する438億3,400万レアルを達成するために、ジョアキン・レヴィ財務相は更なる支出カット並びに増税を発表していた。
9月上旬に米国の格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、ブラジルの長期外貨建てソブリン格付けを「BBBマイナス」から1段階下の「BBプラス」 のジャンク級に引下げ、また経済リセッションによる歳入の大幅な減少、ドル高の為替、燃料派生品価格の値上げによるインフレ圧力の上昇などの要因で、政策誘導金利(Selic)の引下げは2016年下半期になると予想されている。
2016年のインフレ指数の消費者物価指数(IPCA)の予想比較ではクレジットスイス銀行は7.3%、ファクター銀行並びにイタウー銀行、サンタンデール銀行、テンデンシア社は6.5%、LCA社は5.9%をそれぞれ予想している。(2015年10月5日付けエスタード紙)