高止まりするインフレ指数並びに14.25% に達した政策誘導金利(Selic)に伴う商業銀行の金利上昇、海外投資家によるブラジル国債購入比率の増加、米国の格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、ブラジルの長期外貨建てソブリン格付けを「BBBマイナス」から1段階下の「BBプラス」のジャンク級に引下げなどの要因で、8月の連邦政府の公的債務残高は前月比3.16%上昇の2兆6,860億レアルしている。
海外投資家によるブラジル国債購入比率は、収益率が非常に高いインフレ指数の消費者物価指数(IPCA)連動国債並びに政策誘導金利(Selic)連動国債の購入が牽引して、世界金融危機発生直後の2009年2月のレベルまで達している。
過去12か月間のインフレ指数の消費者物価指数(IPCA)連動国債並びに政策誘導金利(Selic)連動国債の平均年利は15.93%、またレアル通貨に対するドルの為替は大幅に上昇で8月の対外公的債務残高は4.35%増加の1343億2,000万レアルに達している。
ブラジルの経済リセッション入り、高止まりするインフレ指数や政策誘導金利(Selic)で短期償還期間連動国債の金利が上昇傾向となっており、7月の過去12か月間の償還期間を迎えた国債比率は25.44%から8月は25.20%に減少している。
海外投資家はブラジル国債購入のリスク軽減のために償還期間が短期の国債に移す傾向が顕著で、消費者物価指数(IPCA)連動国債並びに政策誘導金利(Selic)連動国債の比率は全体の53%迄上昇している。
8月末に米国の格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、ブラジルの長期外貨建てソブリン格付けを「BBBマイナス」から1段階下の「BBプラス」のジャンク級に引下げたも関わらず、8月の海外投資家のブラジル国債所有比率19.4%は7月の19.56%からわずかな減少に留まっている。
7月の海外投資家によるブラジル国債残高は4,840億レアル、8月は4885億レアル、またブラジルの長期外貨建てソブリン格付けや外債発行向け金利上昇を余儀なくされているために、国庫庁では外債発行を見合わせている。(2015年9月29日付けエスタード紙)