7月の経常収支は61億6,300万ドルの赤字を記録、8月の経常収支は24億8,700万ドルの赤字を記録して中銀予想の40億ドルの約50%弱の赤字幅まで減少している。
中銀は今年の製造業部門向け投資である対内直接投資総額を前回予想の800億ドルから650億ドルに下方修正、また中銀は今年の経常収支赤字を前回予想の810億ドルから650億ドルに下方修正している。
ブラジルの経済リセッションやラヴァ・ジャット作戦による汚職問題に端を発した国会審議の混乱、ジウマ大統領の支持率急落、レアル通貨に対するドルの為替が4.0レアルを突破したことなどが要因となって、中銀では今年の経済指標の見直しを余儀なくされている。
中銀は今年の経常収支を構成する貿易収支は6月の前回予想の30億ドルの黒字から4倍増の120億ドルの黒字に上方修正、またサービス収支は、ブラジル人の海外旅行での支出から外国人のブラジル国内での支出を差し引いた前回予想の145億ドルの赤字から130億ドルの赤字に下方修正している。
8月の海外旅行によるサービス収支はドル高の為替に反比例して前年同月比55%減少の8億2,700万ドルの赤字、今年8か月間では27%減少、9月の18日間の海外旅行のサービス収支は5億7,100万ドルの赤字を計上している。
今年8か月間の経常収支赤字は前年同期比では190億ドルと大幅に減少、そのうち72億ドルは貿易収支、サービス収支は43億ドル、所得収支は76億ドルそれぞれ減少している。
今年8月の製造業部門向け対内直接投資(IDP)は53億ドル、今年8か月間では前年同期比36%減少の421億ドルを記録、米国の格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、ブラジルの長期外貨建てソブリン格付けを「BBBマイナス」から1段階下の「BBプラス」のジャンク級に引下げ、また米国の格付け会社ムーディーズ社若しくはフィッチ社によるブラジルの格下げが発生すれば、今後のIDP投資は大幅に減少すると予想されている。(2015年9月23日付けエスタード紙)