ブラジル国内経済の停滞、ラヴァ・ジャット作戦による汚職問題発覚による大手ゼネコンの相次ぐ幹部の逮捕や入札参加の取り消し、インフレ圧力軽減のための銀行金利の上昇によるクレジットの与信強化、企業経営者や一般消費者の景況感悪化などの要因で、今年の製造業部門は壊滅的な打撃を受けている。
雇用創出で牽引的な役割を果たしている製造業部門の大半は、国内消費の悪化に伴って過剰在庫調整のために生産調整を余儀なくされており、自動車セクターでは集団休暇やレイオフの採用で生産調整を行っている。
ラヴァ・ジャット作戦の影響で相次ぐ大型プロジェクト中止や逮捕者が出たゼネコン大手の資金調達に困難をきたしている今年の建設セクターの失業者総数は50万人に達すると予想されているが、今年上半期の建設セクター向けサプライヤーである機械・装置セクターでは2万5,000人が失業、年末までには更に2万5,000人が失業すると予想されている。
昨年の建設セクター並びに機械・装置セクター、鉄鋼セクター、自動車セクター、化学セクター、電気電子セクターの失業者総数は20万人に達していたが、今年は3倍に相当する61万人が失業すると予想されている。
年初の鉄鋼セクターの投資計画では総額21億ドルの投資が予想されていたが、中国経済の停滞並びに世界鉄鋼メーカーの需給バランスの崩れによる国際コモディティ価格の下落で、今年8月末迄のブラジル国内の鉄鋼セクターの失業者は全体の10%に相当する1万1,200人に達しており、年末までには更に4,000人が失業すると予想されている。
今年8月末迄の自動車セクターの失業者は1万1,000人、解雇を防ぐ手段として集団休暇制度採用による休職中並びにレイオフ中の従業員は2万7,000人に達しており、今後は一般消費者の新車購入の先送りで更に失業者が増加すると予想されている。
昨年の電気電子セクター業界の従業員総数は、1万5,000人が失業したために29万5000人まで減少、今年は毎月平均3,000人が解雇されて更に3万人が新たに失業すると予想されている。(2015年9月17日付けエスタード紙)