ブラジル地理統計院(IBGE)の調査によると、7月の製造業部門の生産は前月比1.5%減少、最も悲観的な予想をしていたエコノミストの0.6%減少を大幅に下回る生産減少を記録している。
また7月の過去12か月間の製造業部門の生産は5.3%下落してリーマンブラザーズ証券会社破産をきっかけとした世界金融危機後の2009年12月以降では最大の落ち込みを記録している。
ブラジル経済の停滞並びに新車販売向け工業製品税(IPI)減税政策停止、在庫調整のために多くのメーカーが集団休暇を採用した影響で昨年12月の製造業部門の生産は前月比1.8%ト大幅に下落していたが、今年7月の製造業部門の生産落ち込みはそれに匹敵する落ち込みを記録している。
MB Associados社チーフエコノミストのセルジオ・ヴァーレ氏は、連立与党による財政収支悪化につながる減税政策支持、ジョアキン・レヴィ(Joaquim Levy)財務相の発言力低下、ミッシェル・テメル(Michel Temer)副大統領の政治工作担当辞任などの影響で、8月の製造業部門の生産は更に悪化する可能性が強い。
7月の製造業部門の生産は前月比1.5%減少、前年同月比8.9%減少、今年7か月間では6.6%減少、過去12か月間では5.3%減少、7月の資本財セクターの生産は前月比1.9%減少、前年同月比27.8%減少、過去12か月間では16.8%減少している。
前記同様に中間財セクターは2.1%減少、5.6%減少、3.2%減少、消費財セクターは1.1%減少、10.1%減少、6.2%減少、そのうち非耐久消費財は3.4%減少、9.2%減少、4.35減少、耐久消費財セクターは6月の生産が前月比で13.7%減少していたために9.6%増加となっているが、前年同月比13.7%減少、過去12か月間では12.1%減少している。(2015年9月3日付けエスタード紙)