中銀のフォーカスレポート調査に参加する100商業銀行の一部のエコノミストは、今年と来年2年間連続でGDP伸び率がマイナスを記録するリセッションに陥ると予想しているために、大幅なGDP伸び率の下方修正を余儀なくされている。
先週、連邦政府は今年の財政プライマリー収支黒字目標のGDP比1.13%に相当する663億レアルをGDP比0.15%に相当する87億4,000万レアルに引き下げると発表した。
大手石油会社ペトロブラスの汚職問題で大手ゼネコン幹部の相次ぐ逮捕によるインフレ整備部門の投資中止などの要因で、今後2年間のGDP伸び率が大幅な下方修正を余儀なくされている。
また国内経済停滞による製造業部門の生産調整による雇用の悪化、インフレ率の上昇、米国金利の引上げ予想による政策誘導金利(Selic)の更なる引上げ、ジウマ大統領の支持率が7.7%まで下落している政権の求心力低下、連立与党による財政健全化法案成立の阻止する動きなどブラジル国内の政治経済情勢が更に悪化してきている。
中銀の最終フォーカスレポートによると、今年のGDP伸び率は前回予想のマイナス1.7%から1.76%と更に下方修正されており、Fibra銀行チーフエコノミストのクリスティアーノ・オリヴェイラ氏は、今年のGDP伸び率は前回予想のマイナス1.7%から3.1%、2016年のGDP伸び率は前回予想のマイナス0.2%からマイナス1.0%とそれぞれ大幅な下方修正している。
国内経済が2年連続でリセッションに陥ると2016年には米国の大手格付け会社がブラジル国債を投資適格級から格下げする可能性をFibra銀行のオリヴェイラ氏は憂慮している。
中銀の最終フォーカスレポートでは、今年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、公共料金の値上げや政策誘導金利(Selic)の更なる引上げ予想で9.23%に上昇、しかし2016年のIPCA指数は5.4%に据え置いている。(2015年7月28日付けヴァロール紙)