ジウマ・ロウセフ大統領(Dilma Rousseff)は、メーデー前日に労働法や年金・恩給規定に関する改定で連邦政府並びに労働組合、企業経営者側とのフォーラムを開始したにも関わらず、その後3か月間に亘ってフォーラムが中止されている。
連邦政府は組合側並びに業界関係者との公開討論会継続で、労働法や年金・恩給規定で折り合いを模索していたにも関わらず、連立与党との協力が得られずに国会での相次ぐ修正案などで難航している。
フォルサ・シンジカル(UGT)のミゲル・トレス(Miguel Torres)組合長は、「連邦政府は予定を立てて規定改正などをするのではなくて、国会での承認前に急いでフォーラムを開催する」と指摘している。
現在の経済危機に対応するためジウマ大統領の暫定令680号として創出された雇用保護計画(PPE)では、30%の時短勤務並びにサラリーカット分のうち労働者支援基金(FAT)から給与額の15%を補填、連邦政府にとっては失業手当よりも支出削減につながる。
6月末に下院議会で最低サラリー以上の年金・恩給受給者に対する2016年以降の年金引き上げ率についての採決が行われたが、最低サラリーと同率の調整に賛成票多数で承認されたが、ジウマ大統領は今月29日までに拒否権を発動しなければならない。
また年金支給計算方向の変更である「モメンタリ方式」(国会で承認された85/95方式と呼ばれる方式の派生方式)、2017年から年金受給までの最低加入年 数を漸進的に引き上げる採用で更なる支出で財政が更に圧迫されるために、年金・恩給システムが維持できなくなると危惧されている。
ブラジル中央統一労組(CUT)のヴァグネル・フレイタス(Vagner Freitas)組合長は、「我々は連邦政府に早急なフォーラム開催で話合いを要求している」と説明している。(2015年7月26日付けエスタード紙)