今月22日、連邦政府は今年の財政プライマリー収支黒字目標のGDP比1.13%に相当する663億レアルをGDP比0.15%に相当する87億4000万レアルに引き下げると発表した影響で、昨日のサンパウロ平均株価並びにレアル通貨に対するドル為替は下落している。
ジョアキン・レヴィ財務相がジウマ第2次政権の就任時に強調した健全な黒字水準である財政プライマリー収支黒字GDP比2.0%を2016年に達成すると発表していたにも関わらず、昨日の予算見直し案では2018年に先送りすることを発表している。
「大半のエコノミストは2015年の財政プライマリー収支の黒字目標の下方修正はすでに了解していたにも関わらず、2016年並びに2017年の大幅な下方修正を憂慮している」とConsultoria Wagner Investimentos社のジョゼ・ファリア・ジュニオール取締役はコメントしている。
ブラジル国内の政治経済シナリオの悪化、製造業部門の雇用の悪化、インフレ率の上昇、米国金利の引上げ予想による政策誘導金利(Selic)の更なる引上げ、大手石油会社ペトロブラスの汚職問題などの要因でジウマ大統領の支持率は7.7%まで下落して政権の求心力低下、連立与党による財政健全化法案成立の阻止する動き、国民の連邦政府への抗議デモ参加の不穏な動きなどが見逃せなくなってきている。
これらの要因から最近ブラジルを訪れた格付け会社ムーディーズによるブラジル国債の格下げの可能性が否定できなくなってきており、昨日のレアル通貨に対するドルの為替は1.98%増加のR$3.291まで上昇して3月19日以降では最高のドル高を記録している。
また昨日のサンパウロ平均株価指数(Ibovespa)は、2.18%上昇の4万9806.62ポイントと3月16日以降では最低の平均株価指数を記録している。(2015年7月24日付けエスタード紙)