昨年6月から中銀がレアル通貨の為替安定のために毎週月、火、水、木曜日にそれぞれ5億ドルずつ通貨スワップ入札を実施してドル介入は900億ドルに達している。
昨年6月からの中銀による金融市場へのドル介入総額は1,860億ドル、そのうち967億ドルは中銀の他の金融オペレーションで金融市場からドルを引き揚げている。
2002年にルーラ大統領が就任した時にレアル通貨はドルの為替に対してR$4.0レアルまで暴落したにも関わらず、当時、中銀は400億ドルのドル介入しかできなかったが、現在のブラジルの外貨準備高は約3,700億ドルあるためにドル介入を継続することが可能となっている。
今年1月29日、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策を決定する連邦公開市場委員会(FOMC)は、米国債などを購入して金融市場に放出する量的緩 和政策について、2月から毎月の購入額を100億ドル減らして650億ドルにすることを決定したために、今後は米国の金利上昇に伴って海外資金の流入増加 に伴って、新興国から資金引揚げが継続すると予想されていた。
中銀はドル介入でレアル通貨をR$2.20~R$2.30の水準を維持しているが、ドル介入を実施しなければR$2.35~R$2.40に下落していたとFair Corretora社のエコノミストのジョゼ・ロベルト・カレイラ氏は説明している。
連邦公開市場委員会(FOMC)が金融引き締め政策を発表後のペルー並びにチリ、メキシコ、コロンビアの通貨は一斉に下落した一方で、ブラジルは積極的にドル介入を実施した影響でレアル通貨は安定した水準を維持している。
インフレ指数は連邦政府の許容上限値6.5%近辺で推移しているために、ドル介入によるインフレ抑制効果が輸入ガソリン価格、小麦、その他の輸入品にまで及んでいる。(2014年8月5日付けエスタード紙)