ブラジルは6月に33億4,500万ドルの経常収支赤字を計上したが、仮にサッカー・ワールドカップ(W杯)が開催されていなければ、この財とサービス、所得に関する対外収支の赤字は一層大きなものになっていた模様だ。中央銀行が発表した資料によると、外国人観光客による国際観光収入は、6月に過去最高額を記録し、ブラジルの対外収支赤字の拡大を緩和するのに役立った。
なお6月の国際観光収支赤字は12億0,400万レアルだった。外国人観光客によるブラジル国内の支出とブラジル人観光客による国外での支出の差を示すのが国際観光収支だが、2014年は、6月としては5億7,500万ドルの赤字を計上した2009年以降で最低を記録したことになる。
中央銀行経済局のフェルナンド・ロッシャ局長は、6月に国際観光収支赤字が前年同月比17%減と縮小した理由について、W杯の効果だと指摘する。6月の国際観光収入は、同様に前年同月と比較して、76%も拡大した。
「外国人観光客による国際観光収入は、6月に7億9,700万ドルを計上した。この金額は中央銀行の集計史上、最高額だ」とロッシャ局長は言う。その結果、2014年上半期の累積国際観光収入は、こちらも過去最高額の36億4,700万ドルに達した。
また部分的なデータであるが、ロッシャ局長によると7月の場合も、国際観光収入は前年同月を50%上回って推移していると言う。「ただし、月間の伸び率は、7月13日にW杯が終了したことから、最終的にはこの水準を下回るだろう」と言う。7月23日までの時点で、ブラジルの国際観光収入は6億0,900万ドル、国際観光支出は16億4,800万ドルのため、10億3,900万ドルの赤字で推移している。
経常収支赤字は前年並みで推移
6月の統計を受けて、2014年上半期の累積経常収支赤字は、国内総生産(GDP)に対して3.84%に相当する433億1,100万ドルに達した。この水準は、431億8,000万ドルの赤字を計上した2013年上半期とほぼ同水準である。(2014年7月26日付けエスタード紙)