今月29日、国際通貨基金(IMF)は、世界的な金利上昇が新興国の景気減速と重なり、世界の経済成長率を大幅に押し下げる可能性があると発表、ブラジルなどの主要新興国の経済成長見通しを下方修正している。
IMFはブラジルの貿易収支は鉄鉱石や農産物の国際コモディティ価格の減少や輸入の増加に伴って赤字が拡大すると予想、また昨年のレアル通貨の為替は実質よりも15%も為替高になっていたと指摘している。
ギド・マンテガ財務相はブラジルの金融システムは強固であり、また外貨準備高も3,700億ドルで世界金融危機に充分対応できると説明、しかしIMFのレポートは、大統領選挙を前に野党のアエシオ・ネーベス大統領候補に有利に作用すると非難している。
IMFは米国や英国の早期利上げによって借り入れコストが世界的に上昇、また主要新興国の成長率が今後3年間で大幅に鈍化するシナリオで想定しており、2015年のブラジルのGDP伸び率は最悪でマイナス3.75%になると予想している。
またマンテガ財務相は2013年の貿易収支の悪化は石油派生品輸入の急増が原因であり、今年は石油派生品の輸入は大幅に減少すると説明、IMFは新興国で最も影響を受けるのはロシア並びにトルコ、インドネシア、インド、アルゼンチン、ブラジル、南アフリカと予想している。(2014年7月30日付けエスタード紙)