インドネシア・バリ島で行われた世界貿易機関(WTO)閣僚会議の閉幕式前、最終合意の手腕を見せたロベルト・アゼベドWTO事務局長は、WTOの加盟159カ国は創設以来18年の歴史上初めて、通関手続き簡素化に関する合意に漕ぎつけた。
米国と欧州連合(EU)は大西洋をまたぐ巨大な貿易協定になるものに向けて交渉を開始、また米国並びに日本、その他の環太平洋諸国は、環太平洋経済連携協定(TPP)の最終合意に近づいており、新興国にとっては、貿易協定の枠組みから取り残される不安から生まれた合意であった。
ブラジルにとって今回の合意は、工業製品の輸出コストの削減で価格競争力が向上、また消費財の輸入に関するブロクラシーの軽減につながり、輸入並びに輸出ともに大幅な増加が見込まれている。
米国は、インド政府の食料品の在庫確保並びに輸出に対する補助金政策を受け入れ、またブラジルは農産物輸出に対する補助金政策導入を中止するために、アルゼンチンだけが強硬に補助金政策を続けることになる。
新多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)の長期停滞に苛立ち、多くの先進 国が別の場での貿易協定に専念している9月に、WTO事務局長に就任したブラジルのロベルト・アゼベド氏は、企業の通関手続きを簡素化する比較的控えめなパッケージではあるが、18年の空白を埋める手腕を発揮した。(2013年12月10日付けエスタード紙)