ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、第3四半期の国内総生産(GDP)伸び率は前四半期比マイナス0.5%、前年同期比では2.2%増加、第3四半期の過去12カ月間比では2.3%増加、今年9カ月間のGDP伸び率は、前年同期比2.4%それぞれ増加している。
第3四半期の国内総生産は1兆2314億レアル、第3四半期のGDP伸び率は前四半期比マイナス0.5%、そのうち農畜産部門のGDP伸び率はマイナス3.5%、工業部門は0.1%増加、サービス部門も0.1%増加、鉱業セクターは2.9%増加、電力・ガス並びに水道、上下水道、都市衛生セクターは0.9%増加している。
第3四半期の製造業セクターのGDP伸び率は前四半期比マイナス0.4%、建設セクターはマイナス0.3%、輸送サービスは0.7%増加、商業は0.0%で安定、その他のサービスはマイナス0.4%、金融仲介/保険セクターはマイナス0.2%、不動産・賃貸セクターはマイナス0.2%であった。
第3四半期の住宅投資並びに設備投資、公共投資などの国内総固定資本形成(FBCF)の伸び率は前四半期比マイナス2.2%、一般家庭の消費は1.0%増加、公共支出は1.2%増加、輸出はマイナス1.4%、輸入はマイナス0.1%となっている。
第3四半期のGDP伸び率は前年同期比2.2%増加、農畜産部門は農産物の端境期による生産減少並びにオレンジ価格がマイナス14.2%、キャサバはマイナス11.3%、コーヒーがマイナス6.9%と大幅に減少した影響でマイナス1.0%となっている。
第3四半期の工業部門のGDP伸び率は1.9%増加、鉱業セクターは0.7%増加、製造業セクターは機械・装置並びに電気製品、医療機器、自動車セクターや電気材料セクターの生産が牽引して1.9%増加している。
第3四半期の建設業部門は名目住宅購入向けクレジットが33.8%増加して2.4%増加、電力・ガス、水道、上下水道、都市衛生セクターは一般家庭の電力消費が拡大して3.7%増加している。
ギド・マンテガ財務相は、「第3四半期のGDP伸び率は、前四半期比でマイナス0.5%を記録した影響で、第4四半期のGDP伸び率が大幅に上昇する」と相変わらず楽観的な見方をしている。
11月27日、中銀の通貨政策委員会(Copom)は、政策誘導金利(Selic)を全会一致で0.5%引上げて10%に決定して20カ月ぶりの二桁台の金利となり、中銀は今年4月から連続6回に亘ってSelic金利を2.75%引上げていた。
しかし中銀は、過去4回連続で使用していたフレーズである「インフレを抑制するため金利引き上げ並びに来年のインフレ継続を中断するため」を削除しているために、金融引締め政策は、終盤に近づいていると金融市場関係者は予想していたが、第3四半期のGDP伸び率がマイナス0.5%に留まったために、インフレ圧力があるにも関わらず、中銀による金利引き締め政策は終焉を迎えると予想されている。
スタンダード&プアーズは、過去数年のブラジルのGDPの低い伸び率の継続、公共支出の拡大、経常収支赤字の拡大、経済政策に対する信頼性の低下が国際経済市場のボラティリティに対応する能力を低下させる可能性があると指摘して、6月初め にブラジルの長期格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げており、経済アナリストは今後のブラジルの格下げを憂慮している。(2013年12月4日付けエスタード紙/2013年12月3日付けブラジル地理統計院サイトから抜粋)

