今年の組合側が地方労働裁判所に賃上げ交渉の仲介を求める件数は、すでに109件と昨年の61件を大幅に上回っており、今後、組合側と企業側の賃上げ交渉に関連するストライキが連続して発生すると予想されている。
今年は国内景気が低迷して企業の収益が悪化並びにインフレ指数の高止まり、政策誘導金利(Selic)の引き上げの影響で、銀行金利の上昇による労働者の可処分所得の目減りを補填するために、組合側による賃上げの要求は強さを増してきている。
大サンパウロ圏並びにサントス沿岸地方の労働組合は、賃金調整以外にも従業員利益分配金の引き上げを要求しており、全国銀行連盟(Fenaban)では、7.1%の給与調整を提示しているにも関わらず、組合側では、11.93%の給与調整を要求して平行線をたどっており、ストライキはすでに20日以上継続している。
労使間社会経済調査・統計所(Dieese)の調査によると、今年のインフレ指数である全国消費者物価指数(INPC)を上回る給与調整は、賃上げ交渉全体の84.5%と昨年の96.3%を下回っているが、2011年の84.4%を上回っている。
サンパウロ州の単一労センター(CUT)加盟の金属労連では、今年初めから33組合が賃上げ交渉を行っているにも関わらず、実質賃金調整が昨年を上回ったのは僅かに7組合と発表している。
サンパウロ州の化学工業組合では13%の給与調整を要求、企業側との交渉は今月16日から開始されるが、すでに2化学工場でストライキ入り、更に4化学工場でのストライキ入りが予定されている。
サンパウロ市並びにモジ・ダス・クルーゼス市の金属労連では、昨年の実質賃金調整は8%、今年は8%を超える賃金調整を勝ち取るために、交渉は難航すると予想されている。(2013年10月9日付けエスタード紙)