ブラジルの国内経済の停滞や減税政策の導入で国庫庁の歳入が予想を大幅に下回っており、今後国内経済が回復しない場合、連邦政府は、今年の財政プライマリー収支黒字目標をGDP比2.3%から2.0%に下方修正する可能性がある。
ドル高の為替で更にインフレ圧力が増加しているために、国内経済が停滞しているにも関わらず、8月末の中銀の通貨政策委員会(Copom)で、政策誘導金利(Selic)を全会一致で0.5%引上げて9.0%に決定している。
今年初めの財政プライマリー収支黒字は、GDP比3.1%に設定されていたにも関わらず、5月に連邦政府は公共支出280億レアルの削減を発表して、財政プライマリー収支黒字をGDP比2.3%と大幅に下方修正していた。
また7月に財政プライマリー収支の黒字目標のGDP比2.3%に相当する1,109億レアルの達成のために、ギド・マンテガ財務相は100億レアルに達する歳出削減を発表、連邦政府から地方政府(州・市)への予算配分も停止している。
ジウマ・ロウセフ大統領は、連邦政府やサッカー・ワールドカップに反発する抗議デモに対処するために、財政の透明性確保、公共交通・教育の改善、医療への投資の約束を表明していた経緯がある。
連邦政府は、大企業や商業銀行の滞納している納税を促すために、暫定令615号を発表して国庫庁の臨時歳入の増加の可能性があるために、財政プライマリー収支の黒字目標GDP比2.3%の達成の可能性は残されている。(2013年9月12日付けエスタード紙)