政府内で、財政目標達成へのコミットメントを示すために350億レアルの予算を削減すべきと主張する派閥と、投資を継続するために支出削減は最小限にとどめるべきと主張する派閥とに分かれている。
連邦政府は現在、2013年予算で想定する歳出に対しておよそ250億レアルを縮小する方向で検討している。その縮小する金額については経済スタッフが現在も計算中で、数日内に発表される予定であるが、政府は、3日にも、縮小分を盛り込まない予算・財政計画に関する行政命令を公示する。
エコノミストによる政府経済スタッフは、政府内で対立する2つの意見の板挟みになっている。一方のグループは予算の削減をより大きな、およそ350億レアル規模で実施し、予算の改定や追加支出を承認することがないという姿勢を市場と国会、政府関係者に対して示すべきとする。
他方は、2013年に公共投資の拡大を求めており、そのため最小限の予算削減を支持、税収が落ち込んでいることを理由にせよ250億レアル以上は削減できないと主張する。経済スタッフは、この対立に関して具体的な人物の言及を避けたが、既にこの問題は大統領の判断を仰ぐ状態に発展している。
政府は支出をいっそう大きく削減することを認めてはいるが、内情を見れば、財政目標(プライマリーバランス黒字)が達成できるのは、縮小予算が投資と減税にも及んだ場合に限られる。国債の利払いのための支出削減努力、つまり財政目標は、2013年に1559億レアルが設定されているが、政府はこれを652億レアルまで引き下げることができる。支出を留保することは政府にとって、国庫から現金が支出されないことを意味するため、プライマリーバランス黒字の拡大につながる。
議論されている金額は、いずれにしても、予算から500億レアル以上が削減された2011年と2012年の水準を大きく下回る。その主な理由は、2013年の名目金額ベースの歳入の伸びが、国会が3月上旬に承認した予算指針法で想定していた16%を大きく下回っていることである。
大統領が公示する行政命令に関して経済スタッフは、歳入の見通しとGDP成長率の見通しに関して、下方修正する見込み。最新の予想によると政府は、連邦政府の歳入が2013年、名目額で8%から9.5%の伸びと予想する。その根拠は、2013年の国内総生産(GDP)の成長率が、予算指針法で政府が想定してきたような4.5%ではなく、3.5%近辺に止まることによる。
減税措置
加えて、政府は、当初予算指針法に盛り込んでいなかったものの財務省が既に発表済みの減税と、租税に関する訴訟での敗訴したことが原因で、連邦収税局にとっては2013年に当初の予算から100億レアル以上も歳入が目減りすることを認識している。
当初想定していなかった減税措置の1つは、3月31日で終了を予定していた自動車工業向けの減税を12月まで延長する事。この延長だけで、政府にとっては歳入が22億レアル落ち込むことになる。その上、砂糖アルコール工業と化学工業に対する社会統合基金(PIS)と社会保険融資納付金(Cofins)の削減では、施行される5月以降、年末までに21億レアルの歳入減につながる。
5月に施行する生活必需品セットに対する減税が、2か月前倒しして実施されたことも、歳入の落ち込みを拡大させる。政府は2013年、生活必需品セットの中の16品目に対するPISとCofinsの減税に伴い、歳入が55億4,000万レアル減少すると想定する。
しかも政府は、連邦最高裁判所(STF)の判決に基づき、輸入品に課徴していたPISとCofinsに伴うおよそ50億レアル規模の歳入も失うことになった。(2013年5月3日付けエスタード紙)