スイスのビジネススクールの経営開発国際研究所(IMD)が59カ国を対象とした2012年度の世界競争ランキングで、ブラジルは為替の下落並びに重税、インフレ圧力の上昇、ブロクラシーなどの要因で、前年の44位から46位に後退している。
この世界競争ランキングは世界59の国・地域に対して、経済のパフォーマンス並びにビジネスの効率性、政府の効率性、インフラ整備度という4分野の20の中項目、331の細項目での調査でランク付けしている。
ブラジルの世界競争ランキング46位はペルー並びにメキシコ、チリ、中国よりもランクが低く、最も競争力ランクが高かった香港は昨年に引き続いてトップとなっている。
2位は米国、3位には昨年の5位から2ランクアップのスイス、4位は昨年3位のシンガポール、5位はスエーデン、カナダ、台湾、ノルウエー、9位には昨年10位のドイツが1ランクアップしている。
ブラジルは国内経済の項目で15位もランクを下げているために、連邦政府による自動車工業以外にも減税政策の適用の拡大やイノベーションテクノロジー開発への支援が必要となっている。
ブラジルのロジスティックインフラ項目は54位に後退したが、科学項目では昨年の36位から33位に上昇、貿易項目は56位、ビジネス環境項目のランクアップには、大型プロジェクトに対する社会経済開発銀行(BNDES)のクレジットだけでなく、民間銀行のクレジット拡大が必要となっている。(2012年5月31日付けエスタード紙)