5月の通貨レアルに対するドルの為替はすでに4.25%上昇しているために、輸入材料の値上がりにも関わらず、国内の需要が大幅に低下しているために、鉱工業部門の経営者は最終製品への価格転嫁ができていない。
過去2カ月間のプラスティック樹脂の価格は石油のコモディティ価格上昇に伴って、7.0%から12.0%と大幅に上昇、プラスティック樹脂は製造コストの60%に達しているにも関わらず、ブラジル・プラスティック生産者協会(Abiplast)のジョゼ・リカルド・コエーリョ会長は、最終製品への価格転嫁が非常に難しいために収益を圧迫されていると説明している。
今年第1四半期のプラスティック包装紙から電気製品用のキャビネットを含むプラスティック製品の価格は前年同期比6.0%減少、コエーリョ会長は、ドル高の為替や石油のコモディティ価格の上昇に伴って、生産コストが上昇の一途をたどっていると説明している。
鉄鉱石のコモディティ価格の上昇並びにドル高の為替、輸送費の上昇などで過去30日間の鉄鋼価格が5.0%上昇しているにも関わらず、輸入機械・装置と国内のマーケットシェアを争っているために、ブラジル機械・装置工業協会(Abimaq)のセザール・プラタ副会長は、価格転嫁ができないと説明している。
ヨーロッパの債務危機の影響を受けて、ユーロがドルに対して下落してきているために、ヨーロッパの機械・装置メーカーは輸入税が14.0%課税されるにも関わらず、製品価格を20%から30%引き下げて、ブラジル市場に攻勢をかけてきている。(2012年5月15日付けエスタード紙)