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(論評)教育なしに救済は有り得ない 2012/04/28

1929年の世界恐慌はアメリカ合衆国に壊滅的な影響を及ぼした。一晩で富が埃となり、工業生産は50%減少、貿易通商は実に70%も縮小した。5000以上もの銀行が倒産。無情な干ばつは農業を完全壊滅。失業率は跳ね上がり25%にも及んだ。

路頭に迷った何百万人に及ぶ失業者を救済するべく、アメリカ政府は予算削減を行い、失業者のために公立図書館の設置増加を決めた。かくして行われた。 公立図書館の蔵書を増やし、スペースと開館時間も拡大した。小都市や農村地の読者へ対応するため、移動図書館がこの時期に生まれた。

この インセンティブはどのような結果をもたらしたか。非常に重要である。約10年間の間に何百万人といた失業者が識字者となった。結果は予想出来る:一連の惨 劇の中で、アメリカ合衆国は最も重要な資産、つまり人的資本を充実化したのである。その人的資本により再成長へと立ち向かった。

このアメ リカ合衆国の歴史には見本となる事柄が多くある。マーシャルプランはヨーロッパで成功を納めた、なぜなら戦争中でも教育を怠らなかったからだ。多くの学校 は爆撃の日でも授業が行われていた。広島と長崎への原爆投下(1945年8月)後、日本は国民の教養をもって立ち上がった。韓国は1950年代の闘争の焼 け跡から復活し、また1998年の危機後も再び再生した。両者に共通するのは国民教育の基礎である。

2012年3月10付雑誌『THE ECONOMIST』の記事を注意深く読んでみた。アメリカ合衆国の興味深い出来事について書かれているのだ。この国を揺るがす不況の中で、2012年現 在、16歳~24歳の国民の60%が(歴史的な数字である!)が国内の大学に進学している。もっと素晴らしいのは2005年から2011年の間で奨学金が 550万ドルから960万ドルへと増えていることだ。入学金へかけるクレジットも明白な形で増加している。同国では、18歳から19歳の若者の50%が大 学へ進学し、また35歳以上の国民の16%が定時制大学で学んでいる。

ご覧の通り、雇用が不足しているこの時、若者は勉学に励むことを選択している。歴史は繰り返すとは証明済みだ。アメリカ合衆国はおそらく現在の不況を人的資本で脱するだろう。一方ヨーロッパ諸国で財政危機に苦しむ各国(ポルトガル、ス ペイン、イタリア、フランス、ギリシャ)が教育部門の予算を軒並みカットするなか、アメリカと同じ不況脱出が出来るかどうかはたして疑問である。

一 方のブラジルの場合、我々は経済の好調な風向きを無駄にしていると言えるだろう。なぜなら、Pro-Uniの一連のインセンティブにも関わらず、大学へ通 学する若年層は15%以下であるからだ。退学率は22%に及び、大半の学生が在籍する私立校では実に26%である。またその私立校でのクラスの空席率は52% にも及ぶ。

このようなしくみは、数値上のみならず、また質においても変わる必要性がある。試験の成績を判断するにあたり、大半の大学 は、学校と生徒による共謀、つまり「教えた」とごまかす学校と「勉強した」とごまかす生徒との共謀により教育レベル・質が成り立っていることを考えねばな らない。とんだ茶番である。

市民権と民主主義という意味で目に見える影響以外にも、教育の改善は、労働における生産性の向上、企業また経 済競争力の強化などすべてにおいて重要である。一方の被雇用者にとっても収入の拡大、キャリアアップに欠かせないものである。競争の世界では教育なしに救 済は有り得ない。
(エスタード紙2012年4月24日付け論評記事 ジョゼ・パストーレ氏)



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