州税のためその課税率が調整できる商品流通サービス税(ICMS)の税率を各州政府が引下げ競争を展開する「港湾戦争」と呼ばれる、輸入製品に関する誘致合戦を終結するために、ロメロ・ジュカー上院議員が起草した決議第72号は、上院で承認され税制改革の拡大に一歩を踏み出した。
州境をまたいで流通する製品に対するICMS税率の一律4.0%への引下げで、大きな損出を被るエスピリット・サント州並びにサンタ・カタリーナ州、ゴイアス州の州政府関係者は、州内の失業率の増加並びに鉱工業部門の投資が減少して、製造業はサンパウロ州に一層集中してしまうと指摘している。
決議案第72号の起草者ロメロ・ジュカー上院議員に代わって、この提案防衛の新たなリーダーであるエドゥアルド・ブラガ上院議員(PMDB:ブラジル民主運動党‐アマゾナス州)は、「決議第72号の上院での承認でブラジルの製造業は一息つけるが、この議決案の承認だけでは、ブラジルの製造業の競争力の改善には結びつかない。しかし金利の低下並びに電力エネルギーの値下げはコスト削減に結びつく」とコメントしている。
連邦政府がブラジル国内経済の一極集中を避けるために、サンタ・カタリーナ州の港湾整備に20億レアルを投資したにも関わらず、決議第72号の承認は再度、一極集中の方向へ進むため、同州選出のルイズ・エンリケ上院議員(PMDB-SC)は、連邦最高裁判所(STF)に承認無効の提訴を予定している。
ICMS税率の一律4.0%の引下げが除外される対象として、マナウスフリーゾーン向け輸入製品、コンピューター法並びに半導体テクノロジー開発支援プログラムで保護されている輸入製品などとなっている。(2012年4月25日付けエスタード紙)