アルゼンチンのクリスティーナ・フェルナンデス大統領は、同国最大の石油会社YPF社を政府の管理下に置くことを表明、石油生産の低迷や投資をめぐり対立していたスペインの親会社レプソルYPF社から経営権を取上げる。
1999年から石油生産を行っているYPFの経営を直ちに引き継ぎ、アルゼンチン政府は最高経営責任者の後任にジューリオ・デ・ヴィド企画・公共投資相を起用、政府はYPFの株式51%を取得するための法案を議会に送付する。
アルゼンチン政府はYPF社の26.01%の株を取得、石油生産州が24.99%の株を取得、ペトロブラス石油公社の石油生産は6.0%を占めて3位、今年4月に同社のNeuquén州の石油コンセッションは投資不足を理由に、アルゼンチン政府に取り上げられていた。
YPF社の今年のアルゼンチン国内での投資は、34億ドルを予定していたにも関わらず、アルゼンチン政府はYPF社が投資を怠って石油生産が落ち込んだ影響で、石油の輸入増加につながっていると非難していた。
スペインのマヌエル・ソリア産業・エネルギー・観光相は、「スペイン政府は対応策を協議中で数日中に発表を予定しており、明確で断固たる措置を取る。」とアルゼンチン政府を非難している。
アルゼンチンの石油・ディーゼル燃料のマーケットシェアは、YPF社が59.8%と2位のシェル社の13.3%の4倍以上で寡占、エッソ社は13.2%、ペトロブラス社は10.4%となっている。
YPFの1日当たりの原油生産は53万バレル、売上は100億ドル、石油精製能力はアルゼンチン全体の52%に達しており、1,600ヵ所のガソリンポストに石油を供給している。
YPF社は1992年に民営化されてアルゼンチンの実業家が買収、1999年にスペイン資本のYPFが買収して57.43%の株を取得、アルゼンチンのPetersenグループは25.4%を取得していた。(2012年4月17日付けエスタード紙)