10月7日の大統領選挙では、極右候補のジャイール・ボウソナロ候補(社会自由党-PSL)の支持率は46%、フェルナンド・ハダジ候補(労働者党-PT)は29%、両候補は今月末の第2次決戦投票に駒を進めたが、ボウソナロ候補の支持率上昇で、新大統領就任の確率が高まっている。
今月9日夜、ボウソナロ候補によるブラジル中央電力公社(Eletrobras)の電力エネルギー発電事業の民営化反対発言に伴って、昨日のEletrobras社の株価は9.11%下落、サンパウロ平均株価(Ibovespa)も2.8%下落、レアル通貨に対するドルの為替もR$3.76に上昇している。
ボウソナロ候補の発言内容は、「我々はEletrobras公社をどの国に対しても譲渡してよいのか? 貴方はEletrobras公社が中国資本の傘下に入っても容認できるか? 我々ブラジル人にとってEletrobras公社の配電事業分野の民営化は心配ないが、エネルギー発電事業の民営化は非常に危険で断固反対」とバンデイランテスTVのインタビューに答えている。
中国資本は、既にブラジル国内の電力エネルギー発電事業の民営化コンソーシアム構成企業として積極的に買収を進めており、電力エネルギー発電分野では最大手に接近している。
しかしボウソナロ候補の発言内容は、ボウソナロ候補が大統領に就任すれば財務相になると見込まれているPaulo Guedes氏の積極的な民営化推進政策による財政健全化並びに年金・恩給改革などと異なる発言をして、金融市場関係者に不安を与える発言をしている。
先週、ボウソナロ候補支持のオズワルド・デ・ジェズス・フェレイラ将軍は、エスタード紙とのインタビューで、Eletrobras社の民営化には賛成していたが、ペトロブラス石油公社並びにフルナス電力公社(Furnas )、ブラジル銀行、連邦貯蓄金庫の民営化に反対している。
今週8日のEletrobras社の株価は、ボウソナロ候補の大統領就任の可能性上昇による民営化推進で17.3%高騰、9日も3.68%上昇していたにも関わらず、10日は一転して9.11%下落。ペトロブラスの株価も3.24%下落、ブラジル銀行も4.36%下落していた。(2018年10月11日付けエスタード紙)