ブラジル地理統計院(IBGE)の月間小売調査(PMC)によると、COVID-19パンデミック危機対応の外出自粛要請や必需品以外の営業自粛要請の影響を受けて、2020年4月の自動車並びに建材を除く一般小売販売量は、前月比マイナス16.8%と2001年1月から統計を取り始めて過去最悪の落込み幅を記録している。
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が「新型コロナウイルスはパンデミック(世界的大流行)」と認める声明を発表した3月の一般小売販売量は前月比マイナス2.5%に留まっていたが、4月はcovid-19パンデミック危機の影響による外出自粛要請が30日間に亘って継続した。
4月はサンパウロ市やリオ市など主要州都が必需品販売以外のショッピングセンターやレストランなどの営業自粛で壊滅的な売上減少をきたしたが、辛うじてデリバリーサービス営業で息をついた程度であった。
今年4月の一般小売販売量は前年同月比マイナス16.8%、今年初め4か月間ではマイナス3.0%、4月の過去12か月間では0.7%増加を記録している。
またIBGEの月間小売調査(PMC)によると、今年4月のインフレ指数を差引かない名目一般小売販売は前月比マイナス17.0%、前年同月比ではマイナス13.7%を記録している。
今年4月の自動車並びに建材販売を含む広範囲小売販売量は前月比マイナス17.5%と統計を取り始めた2003年2月以降では最悪の落込み幅を記録している。4月の広範囲小売販売量も最も落込みを記録したのは自動車セクターで前月比マイナス36.2%、建材セクターは僅かマイナス1.8%の落込みに留まっていた。
しかし月の広範囲小売販売量は前年同月比では27.1%の増加率で記録更新、今年初め4か月間では6.9%増加、4月の過去12か月間の広範囲小売販売量は0.8%増加している。
今年4月の一般小売販売量の前月比較で最も落ち込み幅が大きかったのは、繊維・衣類・履物セクターのマイナス60.6%、雑誌・印刷物・製本セクターはマイナス43.3%、日用雑貨・装身具類セクターはマイナス29.5%を記録していた。
ハイパー・スーパーマーケット・食料品・飲料・嗜好品セクターはマイナス11.8%、必需品を含む医薬品・香水・化粧品・医療機器セクターは、3月のプラスから一転してマイナス17.0%を記録している。前期同様に情報機器・事務機器・通信機器セクターはマイナスマイナス29.5%、家具・家電セクターマイナス20.1%、燃料・潤滑油セクターはマイナス15.1%を記録している。
今年4月の一般小売販売量は前年同月比マイナス16.8%、調査対象の8セクター中7セクターでマイナスを記録、特に繊維・衣類・履物セクターのマイナスマイナス75.5%、日用雑貨・装身具類セクターはマイナス45.6%、家具・家電セクターマイナス35.8%、燃料・潤滑油セクターはマイナス25.3%、医薬品・香水・化粧品・医療機器セクターマイナス9.7%、情報機器・事務機器・通信機器セクターはマイナス45.4%、雑誌・印刷物・製本セクターはマイナス65.6%を記録している。
一方ハイパー・スーパーマーケット・食料品・飲料・嗜好品セクターは4.7%増加と唯一増加を記録したにも関わらず、3月の11.0%増加から大幅に減少している。
今年4月の全国27州の平均一般小売販売量は前月比ではすべての州でマイナスを記録、特にアマパ州はマイナス33.7%でトップ、ローライマ州マイナス21.8%、セアラー州マイナス20.2%を記録している。
また前期同様に広範囲小売販売量比較では、アマパ州はマイナス31.6%、エスピリット・サント州マイナス23.4%、サンパウロ州はマイナス23.3%を記録している。
一般小売販売量の前年同月比ではアマパ州はマイナス42.8%、ローライマ州マイナス40.8%、セアラー州マイナス33.8%、前期同様に広範囲小売販売量比較では、アマパ州はマイナス41.4%、セアラー州マイナス37.2%、ローライマ州はマイナス35.9%を記録していた。