ブラジル鉄鋼メーカーではオーストラリア北東部クイーンズランド州で続いた記録的な大雨による洪水の影響で石炭輸出減少並びに中国の鉄鉱石需要拡大で原材料価格の上昇に伴って、ブラジルの鉄鋼製品価格の値上げが避けられなくなってきている。
しかしブラジルの鉄鋼製品価格は欧米よりも15%、アジアよりも20%から25%高く、連邦政府は鉄鋼メーカーに圧力をかけるために、鉄鋼製品の輸入関税を撤廃して鉄鋼製品価格の上昇に歯止めをかけていた。
また連邦政府は自動車セクター以外にも建設セクター、白物家電や電気電子セクターから鉄鋼メーカーの値上げ圧力に対してクレームを提出しているにも関わらず、未だに対抗措置はとられていない。
自動車メーカーでは鋼板価格が最終製品価格の60%を占めて、鉄鋼メーカーの値上げは消費者への価格転嫁に結びつくために、全国自動車工業会(Anfavea)では10%の値上げに対して、7%までに抑える値上げ交渉を予定している。
先週、ナショナル製鉄所(CSN)は鉄鋼ディストリビューター向け熱間圧延鋼並びに冷間圧延鋼に対して、昨年8月から継続していたデスカウントを撤廃、また今年4月から9.75%値上げすることを通達している。
また今年2月にはウジミナス社並びにゲルダウ社はデスカウントを撤廃したために、5%から10%の値上げに結びつくインパクトとなる。(2011年3月23日付けエスタード紙)