中西部地域の8万ヘクタールの耕作地で、綿花並びに大豆栽培を行っているPinessoグループはスーダンのAgadi社と共同で綿花を400ヘクタール、大豆を100ヘクタールの耕作地で6月から試験栽培を開始する。
Pinesso社は農業機械購入に100万ドル、化学肥料や農薬などの経費に50万ドルを見込んでいるが、スーダン政府からは農業機械輸入に対する免税並びに年率3%と低利のファイナンスが提供される。
最終的には2億ドルを投資して10万ヘクタールでの大豆や綿花栽培を計画、また来年には3万500ヘクタールと栽培面積を大幅に増やす計画を立てている。
スーダンのAgadi社は3,500ヘクタールで綿花栽培を行ってヘクタール当たりの収穫量は300キロ、しかしブラジルで最大の綿花栽培地マット・グロッソ州の収穫量は1,500キロに達する。
スーダンでの綿花栽培はナイル川に面した耕作地で非常に肥沃な土地であるために、化学肥料の消費がブラジルの半分以下で大幅なコスト削減が可能であり、また雨季が6月から9月と短期間であるために農薬の使用が3-4回で済むが、ブラジルでは18回であるために大幅なコストダウンに結びつく。
スーダンでの綿花生産コストは850ドルとブラジルの1,900ドルを大幅に下回り、また輸出するための港湾は400キロの近距離にあり、一方、ブラジルの中西部地域から南東部地域の港湾までは2,000キロメートルもある。
スーダンの綿花の質はエジプトと同様に高く評価されており、中国やインド、中近東への輸出が可能、綿花栽培が盛んであったスーダンの綿花生産は50万トンに達していたが、今では8万トンまで減少しているために、スーダン政府もこのプロジェクトには期待している。(2010年4月30日付けヴァロール紙)